Nadia株式会社 代表取締役社長CEO。
プロのレシピサイト「Nadia」、料理家及び料理研究家のマネジメント「Nadia Management」を運営しています。
アマチュアキックボクサー。ゴールドジム。食と料理と格闘技をこよなく愛する経営者です。

■Nadia
「写真がきれい」「つくりやすい」「美味しい」3拍子揃ったお料理や「食」「料理」に関する記事を配信しています。
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■Nadia Management
料理家、料理研究家、料理教室講師、管理栄養士が所属しています。
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僕は学生時代に空手を習っておりました。
元々格闘技が好きで、小学校時代は三沢光晴、ジャイアント馬場、アントニオ猪木など全日・新日問わず夜中にプロレスを見たり、辰吉丈一郎の世界戦などもリングサイドで応援するほどでした。

今のキックボクシングのルーツはここから繋がってきます。 男の子は喧嘩が強い、とか、やっぱり好きなんですよ。
それはさておき、空手の話に戻ります。うちの道場では稽古をはじめる前に、十個の訓示のようなものを全員で唱和するのです。
健やかであることや、礼節を持つことなどが書かれているのですが、その中に「長上を敬する」という言葉ありました。
「ちょうじょうをけいする」と読みます。
会社の経営理念やこういった訓示のようなものは往々にして特に意識して意味を考えることなど少なく、極めてプリミティブなことが書かれているので「ふーん」というように見過ごされることが多い。
人へ感謝しようと書いてあっても「そんなの当たり前やろ」って思うわけです。
弊社も「経営の五業」という理念を掲げて事業運営をしておりますが、当たり前のことばかり書いてあります。
しかしこれを作成するのには1年かけました。
そして文字にするまでに3年を要しました。
作る側としては凄まじい想いを短い文章に集約しているのです。
※興味のある方は「経営の五業」をご覧ください。

空手の話に戻ります。
僕が習っていた空手は実践のフルコンタクトの空手だったので防具もないので生身の体を蹴ったり殴ったりします。
肋骨なんかポキポキ折れてました。
ある日の組み手(実践の殴り合い)の最中、相手に蹴りを放ち、ダウンを奪いました。
道場は沸き、そのまま組み手は終了。
他の練習生も「凄いやん」なんて言葉をかけてくれました。
調子に乗った僕がその時に返した言葉が悪かったのですが、「まだ8割程度や」と口に出してしまいました。
烈火の如く怒った師範に、僕は即座に全員の前で正座をさせられ、道場に書いてある上記の訓示を見ろと言われます。
そして「長上を敬する」を何十回も唱えろと言われました。
「あ、まずいことしたな・・」と子どもながらに思いながら僕は「長上を敬する」と何回も唱えます。
反省というより、怒られた・・・恥ずかしい・・・という想いが強かった気がします。(なんと稚拙な)
最後に師範は僕に言います。 「葛城くん、長上を敬するの意味がわかりますか?」と。
僕はすぐに「はい、目上の人や先輩を敬うことです」とこたえます。
そうすると師範は「違う。」と言います。
「自分より優れた部分を持つ人のことを敬うことです。
長上とは他の人の優れた部分。
それを敬うことです。
年上の方は勿論、年下でも小学生ですら葛城くんよりも優れた部分を持っている。つまり、自分以外の他の人の長上を見つけて敬うことが大事なのだよ。」と指摘されました。
結局、単に空手という分野では腕力の強い人が勝ち、経験が長い人が有利ではあるが、空手以外の部分は対戦相手よりも劣っていることもたくさんある。
それは何も数値で図れる能力や学齢などではなく、精神的に強いとか優しいとか素直とか、そういう人としてのスタンスも含まれている。

なぜかこの「長上を敬する」という言葉を今朝ふと思い出したのです。
今よりも更に無知で稚拙な高校時代にはわからなかったこと。
大人になりもう少し理解できるようになったかもしれない。
部下でも新入社員でも年下の友達にも敬意をはらうこと。
素晴らしいところを見つけて、その部分を見習うこと。
未熟だなと自分が思っている人でも絶対に相手より自分が劣っているところはたくさんあると理解すること。
敬うこと。

長上を敬するということをどんな立場におかれても忘れてはならないのだろう。
そう思って人と接しないといけないのだろう。
それがどんな立場の、どんな年齢の人ですら。
組織において、リーダーに求められるのは、メンバーへの「尊敬」だと思う。

株式会社OCEAN'S 葛城 嘉紀

4年前の本日、株式会社リクルートを退職したので明日2/1で経営者5年生となります。
まだまだ若造経営者ではあるものの、5年目となると社会人でも新人ではない時期にさしかかるわけです。
創業当時はオフィスを持つことや自分の会社で働いてくれる仲間に集まってもらうことなど想像できないほどの貧乏スタートでしたが何とかなるものですね。

「石の上にも3年」 「継続は力なり」 誰もが知っている格言ではあるものの、なかなか実践するのは難しい。
人間は基本的に弱い生き物なので、大変なことがあるとすぐに諦めてしまう。
自分の限界を決めてしまう。 最初に「これをやるぞ!」と一大決心するものの、色んな言い訳をつけて止める理由を探す。
他責にし自分自身に逃げ道をつくり、自分自身を納得させる。
いきなり大きな成果なんて出るわけがわけがないです。
「地道に愚直に」こそが最大の戦略。 一足飛びなどないと思います。

たった4年ですが、振り返るとそう感じます。
何も無かった新地に少しずつ仲間とコンテンツが集まる。 綿密な戦略や計画は立てますが、それ通りに進んだためしはほとんどありません。
だってそうじゃないですか? 状況なんてコロコロ変わるし、マーケットも変わるし、一緒に働いているメンバーの状況も変わる。
そんなもの最初から全部読めるわけないのです。 ほとんどの場合、目の前にある課題を全力で解決し続けるだけなんです。
それが振り返れば道になっているだけなんだと思います。

「つべこべ言わずにまずは目の前のことを全力で」が大事なんです。

良いことも続かないけど、悪いことも続かないので慌てることもありません。
良いときは波に乗れば良いし、悪いときは貝のように閉じれば良い。
「塞翁が馬」ということでしょう。
仕事だけじゃなく、趣味だってそうです。
やると決めたらやる。
気の遠くなる先の予定を立てるのではなく、とりあえずやってみる! それだけでしょう。

僕らはまだまだ何も成し遂げていませんが、ブレずに掲げた目標に向かってこれからも努力するだけです。
あんまり大きなことや遠い先のことを考えずに。
目の前のことをやり続けるのが大事だと考えています。
小さなことに一喜一憂せず、目の前のやるべきことを愚直にやる。
毎日毎日地味な作業の繰り返しなんだと思います。
明日からもそうやって僕らは進んで行きます。

株式会社OCEAN'S 葛城 嘉紀

最近、京セラの稲森さんの本を読む機会が多いのですが、稲森さんのベストセラー「生き方」の中で出会った面白い言葉があったので書いてみます。
「ノブレス・オブリージュ」 直訳すると、「高貴さは(義務を)強制する」ということを意味し、一般的に財産、権力、社会的地位の保持には責任が伴うことを指すようです。

以下、Wikiからの引用。 -------------------------------------------------------------------------------------------------------

倫理的な議論では、特権は、それを持たない人々への義務によって釣り合いが保たれるべきだという「モラル・エコノミー」を要約する際に、しばしば用いられる。最近では、主に富裕層、有名人、権力者が「社会の模範となるように振る舞うべきだ」という社会的責任に関して用いられる。 「ノブレス・オブリージュ」の核心は、貴族に自発的な無私の行動を促す明文化されない社会の心理である。それは基本的には、心理的な自負・自尊であるが、それを外形的な義務として受け止めると、社会的(そしておそらく法的な)圧力であるとも見なされる。 法的な義務ではないため、これを為さなかった事による法律上の処罰はないが、社会的批判・指弾を受けることもある。

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これは非常に面白い考え方だなと思いました。 地域社会においては地主さんの行動や考え方、世界規模で見ると先進国の役割など。
社会的に権力や発言力、影響力を持つ人ほど、周りに与える影響力を加味し行動しなければならない。
最近芸能界が揺れていますが、一部こういう考え方も必要とされるでしょう。 リーダーたるや、どういう行動をすべきなのか。
どういう考え方を持ち合わせるべきなのか。
いくらスキルや経験があっても、間違った方向にベクトffルが向かっている場合は負の力を生み出しかねない。 それでは組織が正しい道に進むはずがない。
リーダーは組織を正しく成長させることが必要なのだと思います。
また、自分がリーダーである場合、どういう人材に「要所」をまかせることが必要なのか。
どういうメンバーを評価するべきなのか。
自身の利益だけではなくて人のことを考えられる、全体最適を考えられるメンバーがリーダーに選任されるべきでしょう。

友達同士の関係でも、ビジネス上の関係でも人間の役割は同じだと思います。
スキルや経験だけでリーダーになることはないでしょう。
飲み会やパーティーの仕切りですら。

ここで少し興味深いと思った考え方も紹介します。
第一に深沈厚重(しんちんこうじゅう)
第二に磊落豪雄(らいらくごうゆう)
第三に聡明才弁(そうめいさいべん)

■深沈厚重(しんちんこうじゅう) どっしりとして重みがあり、落ち着いていて動じないこと。 寛容でいてかつ、威容も持ち合わせている様。 くだらないことには心を動かされない、確固とした己の信念を持ち合わせている姿を示す。 ※出典:呂新吾の呻吟語。

■磊落豪雄(らいらくごうゆう) 磊落とは大きな石がごろごろと無造作に転がっている状態を云う。 つまり型にはまらない。 細かいことに拘らず、度量が大きい様。

■聡明才弁(そうめいさいべん) 頭脳明晰で才があり、弁が立つ様。 つまり一番大事なのは「人柄や心」 二つ目に「勇気」 三つ目に「かしこさ」 と解釈できるようです。

自身が会社経営している中で感じることでもありますが、どれだけスキルが高くて経験があっても、それが正しく使われない場合は全く意味が無い。
そういったメンバーやパートナーに会社の意思決定を預けることはありません。
逆に少しくらい考えが足りないなぁと感じても「心」がある行動を取ってくれるメンバーにはどんどん意思決定してもらいます。
不格好かもしれませんが、ウソをついたり騙したりすることがなければ根本的に間違えることはありません。
人を大きく傷つけることはありません。

そして「勇気」。
僕らのようなベンチャー企業は新しいことにどんどん立ち向かわなければならない。 待っていても誰も何も助けてくれません。
営業なら地道な飛び込み営業、エンジニアは積極的に自身を高める環境作りに、誰に何を言われるでもなく進んで行かなければなりません。
「かしこさ」はその次くらいです。 もし、自分がリーダーになりたい、そしてリーダーとして色んなメンバーを率いているなら、「ノブレス・オブリージュ」ということです。

そこには責任があります。
深沈厚重であるべきです。
そして、その立場に居るなら「私」から「公」という考え方になるべきです。
日々生きている中で、感情的になることや後ろ向きになることも多々あります。
経営なんてしていると本当にたくさんそういうシチュエーションがあります。
そういった時に、言葉として記しておくこと、ワンワードで色んなことを思い出せる原点を準備しておくことが非常に重要ですね。
心の羅針盤のような。

株式会社OCEAN'S 葛城 嘉紀

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